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お盆に話したい“実家の将来”|空き家にしない生前の備えと相続の新ルール【福岡】

売却・相続・税金

西 俊之

筆者 西 俊之

不動産キャリア5年

「話しやすく、相談しやすいスタッフでありたい」と思っています。
住宅の購入は人生の大切な決断です。不安や疑問を一つずつ一緒に解決しながら、安心してお家探しを進めていただけるよう全力でサポートします!

お盆に実家へ帰り、久しぶりに家族が顔をそろえる——福岡でも、この時期に「そういえば、この家、これからどうする?」という話になるご家庭が少なくありません。親が元気なうちは、なかなか切り出しにくい話題ですが、相続が始まってからでは選べる手が一気に減ってしまうのも事実です。

とくに実家を「空き家のまま」にしておくと、固定資産税や管理の負担が続くだけでなく、2024年に義務化された相続登記、そして2026年4月から始まった住所変更登記の義務化など、手続き面のリスクも年々大きくなっています。

この記事では、お盆に家族で話しておきたい「実家の将来」と、空き家にしないための生前の備えを、福岡で実家を持つ方・受け継ぐ方に向けて、最新の制度をふまえてわかりやすく整理します。

執筆:西 俊之(株式会社アイマ 福岡支店)/監修:宅地建物取引士 五十嵐 勇

1. なぜ「お盆」に実家の将来を話すのがよいのか

実家の話は、電話やLINEでは伝わりにくく、後回しになりがちです。だからこそ、家族が実際に集まるお盆は、将来の方針をすり合わせる数少ないチャンスです。話しておきたいのは、次のようなことです。

  • 誰が実家を継ぐのか(住む・貸す・売る、それとも当面そのまま?)
  • 名義と権利関係(今の名義は誰か、住宅ローンや共有者はいるか)
  • 親の希望(残したいのか、負担をかけたくないのか)
  • お金の備え(相続税・維持費の見通し、生前贈与を使うか)

「まだ元気だから」と先延ばしにするほど、判断も手続きも難しくなります。元気なうちに方針を共有しておくこと自体が、最大の生前の備えです。

実家を放置すると損する数字と期限のまとめ図。相続登記は2024年義務化で3年以内・過料10万円以下、住所変更登記も2026年4月から義務化で過料5万円以下、管理不全空き家は固定資産税が最大6倍、相続空き家の3000万円特別控除は2027年末までの売却が対象。

2. 放置が危険な理由|2024年・2026年の登記義務化

「とりあえず名義はそのまま」——これが、いま最もリスクの高い選択になりました。相続に関わる登記が、この数年で相次いで義務化されているためです。

相続登記の義務化(2024年4月〜)

これまで任意だった相続登記は、2024年(令和6年)4月1日から義務化されました。ポイントは次のとおりです。

  • 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する
  • 正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料が科される可能性がある
  • 2024年4月より前に発生した過去の相続も対象(2027年3月31日まで、または知った日から3年のいずれか遅い日まで)

遺産分割がまとまらないときは、「私が相続人です」と申し出る相続人申告登記という簡易な手続きで、ひとまず義務を果たすこともできます。実務上は福岡法務局で、司法書士に依頼して進めるのが一般的です。

住所変更登記も義務化(2026年4月〜)

さらに2026年(令和8年)4月1日からは、登記名義人の住所・氏名の変更登記も義務化されました。実家を継いだ後の引っ越しなどで見落としやすいポイントです。

  • 住所や氏名が変わったら、変更日から2年以内に登記を申請する
  • 正当な理由なく怠ると、5万円以下の過料が科される可能性がある
  • 施行前(2026年3月31日まで)の未登記分も対象だが、2028年3月31日までに登記すれば過料は科されない猶予がある

あらかじめ簡単な手続き(スマート変更登記)をしておけば、以後は法務局側で住所変更登記が行われ、自分で申請しなくても義務違反に問われなくなる仕組みも用意されています。

3. 「空き家にしない」ための3つの方針

実家をどうするかは、大きく「住む・貸す・売る」の3つに整理できます。決めきれずに空き家のまま放置するのが、いちばん税と管理の負担が重くなります。

  • 住む・使う:子世帯が住む、二拠点で使うなど。ただし維持費と将来の相続まで見据えて。
  • 貸す:賃貸で活用すれば収入になるが、リフォーム費用や管理の手間がかかる。
  • 売る:使う予定がないなら、傷む前・特例が使えるうちの売却が有力。福岡は中央区を中心に需要も底堅い。

放置がなぜ危険かというと、管理が行き届かない空き家は「管理不全空家」に指定されるおそれがあるからです。2023年施行の改正空家法により、指定されて改善されないと住宅用地の固定資産税の軽減(最大6分の1)が外れ、税負担が最大で約6倍になることがあります。さらに危険な状態が続けば「特定空家」に格上げされ、行政代執行(強制解体)の対象にもなり得ます。

4. 生前にできるお金の備え|贈与と売却の特例

「実家の将来」を考えるうえで、税金の備えも欠かせません。生前・相続後それぞれで使える主な制度を押さえておきましょう。

① 生前贈与を計画的に使う

親が元気なうちにできる対策が生前贈与です。暦年課税では年110万円まで贈与税がかからない枠がありますが、2024年からは相続開始前に加算される期間が3年から7年へ段階的に延長された点に注意が必要です。一方、相続時精算課税を選ぶと、2024年から新たに年110万円の基礎控除が使えるようになり、選択肢が広がりました。どちらが有利かは家族構成や資産額によって変わるため、税理士への相談がおすすめです。

② 相続後に売るなら「3年」の特例を意識

相続した実家を売って利益(譲渡益)が出ると、譲渡所得税・住民税がかかります。ただし、亡くなった方が一人で住んでいた家(とその敷地)を相続して売る場合、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける「相続空き家の特別控除」が使える可能性があります。主な要件は次のとおりです。

  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家であること(旧耐震基準)
  • マンションなどの区分所有建物でないこと
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ2027年12月31日までに売ること
  • 売却代金が1億円以下で、耐震リフォームか取壊し(更地)をすること

なお、2024年以降の売却で相続人が3人以上いる場合は、控除額が1人あたり2,000万円になります。いずれにせよ「3年」という期限があるため、空き家のまま時間が経つと使えなくなる点に注意しましょう。

5. 福岡で実家の将来に備える3つのポイント

  1. 名義と権利を今すぐ確認する。相続登記(3年)も住所変更登記(2年)も義務化されました。まずは今の名義と住所が正しいか点検を。
  2. 「住む・貸す・売る」を早めに決める。方針が決まらない“空き家放置”が、税・管理・トラブルの温床です。
  3. お金の備えは専門家と。生前贈与も売却の特例も、期限と要件が細かく、判断を誤ると損をします。司法書士・税理士と連携して進めましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 親が元気なうちから、実家の相続の話をしてもよいのでしょうか?
A. むしろ元気なうちに話すのが理想です。親の希望を確認でき、生前贈与や遺言など元気なうちしか使えない選択肢も検討できます。お盆など家族が集まる機会がおすすめです。

Q. 相続登記をしないと罰則がありますか?
A. 2024年4月から義務化されました。取得を知った日から3年以内に申請せず、正当な理由もない場合は10万円以下の過料の対象です。2024年より前の過去の相続も対象になります。

Q. 2026年から始まった住所変更登記の義務化とは何ですか?
A. 登記名義人の住所・氏名が変わったら、変更日から2年以内に登記を申請する義務です。怠ると5万円以下の過料の対象になります。施行前の変更分も、2028年3月31日までに登記すれば過料は科されません。

Q. 空き家のまま置いておくと、税金は上がりますか?
A. 管理が不十分で「管理不全空家」や「特定空家」に指定されると、住宅用地の固定資産税の軽減が外れ、税負担が最大で約6倍になることがあります。早めの活用・売却の判断が大切です。

Q. まず何から始めればよいですか?
A. ①現在の名義・住所・権利関係の確認 → ②「住む・貸す・売る」の方針を家族で共有 → ③無料査定で価格と特例の概算を把握、の順がおすすめです。当社では査定から司法書士・税理士のご紹介までサポートします。

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まとめ

実家の将来は、「元気なうちに、家族で方針を決めておく」ことがなによりの備えです。相続登記(2024年〜)に加え、2026年4月からは住所変更登記も義務化され、放置のリスクは確実に高まっています。空き家にしないためにも、「住む・貸す・売る」を早めに選び、生前贈与や売却の特例といったお金の備えも合わせて考えておきましょう。

当社は福岡市中央区を拠点に、相続・空き家に関わる不動産のご相談を数多くサポートしてきました。「実家をどうすればいい?」「うちは特例が使える?」——名義や税金のご不安も含め、無料査定・無料相談で承ります。提携の司法書士・税理士のご紹介も可能です。お盆に出た家族の話を、次の一歩につなげるお手伝いをいたします。

※本記事は2026年7月時点の制度をもとにした一般的な解説です。実際の適用可否や税額は個別の事情により異なります。具体的な判断は司法書士・税理士・税務署にご確認ください。出典:法務省「相続登記の申請義務化」法務省「住所等変更登記の義務化」/国税庁タックスアンサー No.3306(被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例)国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置」

監修:宅地建物取引士 五十嵐 勇
株式会社アイマ 福岡支店。福岡市中央区を拠点に不動産売買仲介を担当し、地域の市場動向や税制をふまえた売却・購入のサポートを行っています。

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