
【2026年6月】フラット35が初の3%超え|金利急騰の理由と賢い選び方
2026年6月、フラット35が初の3%超え。住宅ローン金利「急騰」の理由と、これからの賢い選び方
2026年6月、住宅ローン市場が大きな節目を迎えました。フラット35(返済期間21〜35年・団信込)の6月適用金利は、前月の2.71%から一気に0.50%上がり、3.21%に到達。現在の制度が始まった2017年10月以降、フラット35が3%を超えたのはこれが初めてです。
たった1か月で0.5%という上げ幅は通常では考えられない動きで、固定金利の世界が大きく変わったことを示しています。フラット35だけでなくメガバンクの10年固定も軒並み上昇しました。なぜここまで上がったのか、そしてこれから住宅ローンをどう選べばいいのかを、最新のデータとともにわかりやすく整理します。
主要な固定金利の推移(2026年3月→6月)
| 商品・金融機関 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 5月→6月 |
| フラット35(21〜35年・団信込) | 2.25% | 2.49% | 2.71% | 3.21% | +0.50% |
| 三井住友銀行(10年固定) | — | — | 3.25% | 3.50% | +0.25% |
| みずほ銀行(10年固定) | — | — | 2.95% | 3.25% | +0.30% |
| 三菱UFJ銀行(10年固定) | — | — | 3.15% | 3.27% | +0.12% |
| 三井住友信託銀行(10年固定) | — | — | 3.645% | 4.015% | +0.37% |
| りそな銀行(10年固定) | — | — | 3.435% | 3.745% | +0.31% |
※銀行各行は5月・6月の数値。フラット35はわずか3か月で約1%上昇しました。
なぜ1か月で0.5%も上がったのか
フラット35の金利は、住宅金融支援機構が資金を集めるために発行する「機構債」の利率がもとになっており、それは長期金利(10年物国債利回り)に連動します。この長期金利が5月に急騰したことが、6月の金利を一気に押し上げました。10年物国債利回りは5月18日に2.8%まで上昇し、これは約29年半ぶりの高水準です。背景には、次の3つの要因が同時に重なりました。
① 中東情勢とインフレ再燃
2月下旬に始まったイラン戦争の影響で原油価格が高止まりし、世界的にインフレ懸念が再燃しました。米国の利下げ観測も後退し、日本の金利を押し上げる外圧となりました。
② 高市政権の大型補正予算
高市政権が3兆円超の補正予算の編成を表明。財政規律の緩みへの警戒から、投資家が求める上乗せ金利が拡大し、国債利回りを押し上げました。
③ 日銀のタカ派姿勢と国債需給の悪化
日銀は段階的に利上げを進め、政策金利は0.75%に。さらに国債の買い入れを減らす量的引き締め(QT)を進める中で、政府による国債の増発が重なり、「買い手の不在」と「増発懸念」が同時に発生。金利が上がりやすい状況になりました。
フラット35と「フラット50」、どちらを選ぶ?
金利が高い今こそ、商品選びの工夫が重要です。最長50年まで借りられる「フラット50」が、改めて注目されています。
- 借入期間は36〜50年。毎月の返済額をフラット35より抑えられます。
- フラット35等と併用すれば、物件価格の10割(フルローン)も可能です。
- パートや契約社員、転職・起業直後の方でも申し込みやすい間口の広さがあります。
- 将来の売却時に、買主へローン契約をそのまま引き継げる「債務引受」が可能。将来さらに金利が上がっていれば、低金利のローン枠そのものが物件の付加価値になります。
| 比較項目 | フラット35 | フラット50 |
| 借入期間 | 15年〜35年 | 36年〜50年 |
| 2026年6月 基準金利 (融資率9割以下・団信込) | 3.21% | 3.38% |
| 金利引下げ制度 | あり(諸条件による) | 当初5年間 最大▲1.0% |
| 融資上限 | 最高8,000万円/10割可 | 物件価格の9割 (併用で10割可) |
ポイントは「当初5年間 最大▲1.0%」の引下げ制度
フラット50の基準金利はフラット35より少し高め(6月で3.38%)ですが、省エネ住宅や多子世帯などの条件を満たすと、当初5年間で最大年▲1.0%の引下げが受けられます。これを使うと、当初5年間の適用金利は2.38%まで下がります。金利が高い今だからこそ、この引下げ幅が初期の返済を大きく楽にしてくれます。
変動金利は「据え置き」でも油断は禁物
一方、利用者の8割近くが選ぶ変動金利は、6月もメガバンク5行平均で1.055%と据え置きです。固定(5行平均3.556%)との差は2.5%超と、過去にない大きさになっています。
変動金利が動かないのは、日銀の政策金利(短期)に連動するためで、長期金利がいくら上がっても、日銀が正式に利上げするまでは表面上は上がりません。ただし、この2.5%の差は、これから変動金利が上がる「エネルギー」の大きさの裏返しでもあります。6月15〜16日の日銀会合では政策金利1.0%への利上げ観測が強まっており、利上げが決まれば、早ければ2026年10月の見直しで変動金利にも反映される見込みです。
これからどうなる? 住宅購入を考える方へのアドバイス
専門家の間では、長期金利が3%に到達する可能性も現実味を帯びています。その場合、フラット35は3.5〜3.8%、フラット50は4%台に入る可能性があり、今の3.21%は「まだ低かった」と振り返ることになるかもしれません。
これからの選び方のポイントを整理します。
- 将来の金利上昇を確実に避けたいなら、今の水準でも全期間固定(フラット35/50)で金利を確定させる。
- 毎月の返済に不安があれば、フラット50+当初5年の引下げ制度で初期負担を抑える。
- あえて変動金利を選ぶなら、固定との差額を必ず貯蓄し、金利上昇に備える「自己資金バッファー」を用意する。
- 住宅ローン控除や省エネ住宅の優遇も最大限に活用する。
「金利が上がってから固定に借り換える」という従来の作戦は、もう通用しません。固定金利は変動金利よりも先に上がってしまうからです。正しい情報を押さえ、ご自身に合った戦略を立てることが、これからの資産を守る鍵になります。
住宅ローンや物件選びについてのご相談は、お気軽に当社までお問い合わせください。
